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コラム「フィジーのマングローブ植林が支えるもの」

みなさんこんにちは、Mr.モリーヌです。

 

さて、3回シリーズで「フィジー共和国のマングローブ植林」をご紹介してきましたが、

いよいよシリーズ最後のテーマ

 

「フィジーの人々の暮らしが植林活動によりどのように変わっているか」

 

についてお話します。

 

最後まで読んでいただければ、

みなさんの小さな善意が、南国フィジーの人々の生活・自然環境の保護に役立っていることを実感してもらえると思います。

 

では、いってみましょう!

 

太平洋に浮かぶ島国フィジーでは、

リゾート開発によってマングローブ林が大きく減少した結果、

海面上昇などの地球規模の気候変動や、サイクロンなどの自然災害に対しとても弱くなっていました。

 

人々が気がついたときには、

海岸は波に浸食され、豊かな漁場が失われ、サンゴ礁が傷ついていたのです。

 

マングローブはその不思議な生態系により、

以下のような重要な働きをして人間の生活にも役立ちます。

 

①天然の防波堤・防潮堤としての働き

②エビや魚など、小さな海の生物を育む働き

③サンゴ礁を守る働き

 

主な働きであるこの3つを順に説明していきます。

 

まず①がマングローブの最も大きな働きです。

 

前回のコラムで紹介したように、

マングローブはその特殊な根の構造によって、海水に耐え、砂地、泥地にもしっかりと根を張ることができます。

 

そのため、マングローブ自体が天然の防波堤、防潮堤として働き、波による土壌侵食を防ぎ、高潮の被害を抑えます。

 

さらにサイクロンなどの暴風雨からも海岸を保護し、

ときには津波の被害からさえ人々を守る(※)ことがあります。

 

地球温暖化による海面上昇問題に直面しているフィジーのような島国にとって、

マングローブはまさに守り神のような存在です。

 

※2004年に起きたスマトラ島沖地震で、マングローブが津波の漂流物を防ぐ役割を果たし、後背地の集落への被害を最小限に食い止めた事例が有名。

 

②の働きも地元の人々の暮らしにとって重要です。

 

マングローブ林は「海の命のゆりかご」などと表現されることもあります。

 

というのも、マングローブの根が絡み合う浅瀬は、

エビ・カニ・小魚などの格好の隠れ家となります。

 

地上部にも昆虫や鳥たちが集まってきます。

マングローブの葉や落ち葉はそうした小さな生き物たちの餌となるほか

、プランクトンをはじめとした微生物の養分にもなります。

 

結果としてマングローブ周辺は魚介類がたくさん獲れるよい漁場となり、

人々の生活をも潤すことになるのです。

 

③の働きは①とも関係しています。

 

光合成をして育つサンゴは土砂を被ると弱って死んでしまいます。

しかし、マングローブが海岸を守り、土砂の流出をせき止めていれば、その沖合にはサンゴ礁が育つ環境が保たれます。

 

つまり、フィジーにとっての重要な観光資源である美しいサンゴ礁を守るためには、マングローブが欠かせないのです。

 

いかがでしょうか?

 

現在、フィジーで進められているマングローブ植林では①~③の働きが確実に発揮され、人々の生活を助けています。

 

さらに近年は、紹介した3つ以外に、マングローブのブルーカーボンとしての役目が注目を集めるようにもなりました。

 

陸上の植物などが二酸化炭素を吸収するグリーンカーボンに対し、

海洋生物が吸収する二酸化炭素はブルーカーボンと呼ばれます。

 

マングローブが現地の人々の暮らしだけでなく

 

「地球環境も守っている」

 

と言われる日は近いかもしれません。

 

実際に、二酸化炭素排出取引に絡んで、米国アップル社が2021年からマングローブ林保全活動に参入しています。

 

ここまで読んで、

マングローブが周囲の生き物を守り、人間の生活を助け、地球レベルの環境の安定にも役立っている、

ということをご理解いただけたかと思います。

 

マングローブにとってみれば、

ただそこに生えているというだけなのかもしれませんが、

彼らがいることで、多くの命が支えられているわけです。

 

筆者の個人的な感想としては、

 

これはまさに「利他」な生き方であり、

この「植林ぱちんこ」を企画・運営しているリタ・マークスの社是にも通じるものがある気がします。

 

「植林ぱちんこ」で集められた寄付金は、協力団体を通じて世界の植林活動に役立てられ、

今回紹介したフィジーでのマングローブ植林事業のほか、

多くの国や地域での植林プロジェクトを支えています。

 

「植林ぱちんこ」に参加してくれた全てのみなさんが、

パチンコというレジャーを楽しみながらも、

どこかで誰かの役に立つ、利他の精神を共有してくれたら嬉しいです。

 

最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。

それでは、またの機会にお会いしましょう。

 

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[筆者:Mr.モリーヌ]

関西某所にて学習塾を主宰し地元の子どもたちを教える傍ら、

主に環境・教育分野のライターとして、紙媒体やWeb媒体で年間100記事ほどを執筆している。

不登校児や発達障害児の支援ボランティアも行う。

パチスロは学生時代「ドンちゃん」に挑戦するも、目押しができずに惨敗した記憶あり。

祖父母がパチンコファンで、特に大好きだった「海物語」には、楽しい思い出もある。

現在の使命は、コラムを通じて「世界の環境問題の今」をわかりやすく伝えること。

「植林ぱちんこ」に、全国のファンのさりげない善意を集結させること。